小ネタまとめ(4・多数派の意見は本当に正しい?)
突然ですが問題です。
左の「見本」と同じ長さの棒を1つ選んでください。
余程のことが無い限りまず間違えようがない問題ですが、
ある特定の状況に置かれると正解率が大きく落ちてしまうのです。
今回は同調(同調圧力)について書こうと思います。
アッシュの実験
上記の問題はアッシュという心理学者が考案したもの。
これを一人で解いた場合と集団で解いた場合では、
どのような違いが出るのかを実験しました。
集団で解く場合は8人で回答しますが、そのうち7人はサクラ。
本物の実験参加者は1人です。
サクラは18問中12問で誤った回答をしますが、
この時は7人全員が同じ選択肢を選びます。
さて、1人で回答するとほぼ間違えないであろう問題ですが、
このような状況下で回答するとどうなるでしょう?
結果は50人中37人、つまり実験参加者の約7割が
1回以上の誤答を選んでしまったのです。
単純な問題にも関わらず、
7割の人がサクラと同じ選択肢を選んでしまったのですから、
同調による心理効果がいかに強いかがよく分かります。
2つの作用
同調は主に2つの面から作用しています。
一つは情報的影響。
正しい行動をする手がかりとして、他人の行動を真似することです。
「多くの人が取っている行動は正しい」という
「思い込み」から発生しています。
アッシュの実験ではこちらの心理が働いていました。
もう一つは規範的影響。
他人から受け入れられたい、
あるいは拒絶されたくないという思いから
他人の行動を真似する心理のことです。
「村社会」や「場の空気」といった言葉に見て取れます。
【自動・小ネタ】情報的影響:「多くの人が行っている行動は正しい」という思い込みから、他人の行動を真似(同調)すること。また、他人に受け入れられることや拒絶されることを避けるために同調することもある(規範的影響)
— Tsuyu@雑記ブロガー (@tsuyu1222) 2017年2月5日
多数派だから正しいとは限らない
ここで言いたいのは、
「多数派の意見が必ずしも正しいとは限らない」
ということ。
例えば「●●するのが当然」「○○は当たり前」といった考えが多数派でも、
根拠が示せなければ「偏見」や「思い込み」に過ぎません。
逆に言えば、例え少数派でも、
しっかりした根拠が示せれば多数派の意見を覆すことは可能なのです。
映画「十二人の怒れる男」がそれを証明しています。
この映画はある殺人事件を巡り、
12人の陪審員が評決を決める物語。
最初は11人が有罪、1人が無罪を主張していましたが、
この1人の男が有罪派の意見を様々な根拠や論理的・客観的な考えを武器に
次々と突き崩していき、最後は全員が無罪を主張することになります。
ただ1人無罪を主張することに最初は何故?と思いましたが、
そこにしっかりした根拠があれば支持する人は増えるのですね。
という訳で、今回は映画の宣伝で締めたいと思います。
ではまた(´・ω・`)ノシ
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